耳閉感、咽頭痛、しびれなどの多彩な症状を伴った脳脊髄液減少症への有効性
○来院までの経緯 (39歳代 女性)
平成13年暮れに交通事故に見舞われてから、左半身を中心に様々な症状が現れるようになった。主として以下のよう なものがある。
- 頭痛、首、肩、背中、腰までの痛み、重圧感および左腕全体、特に肘から手首、手、指の痺れ。
- 左耳詰まり、左耳周囲や顔面の痛み。
- 舌のしびれ、咽頭痛、嚥下痛、口の渇き。
- 左肋間神経痛、息苦しさ、左下腹部、 ソケイ部の痛みや今までにないひどい生理痛。
- 倦怠感、疲労感、および抑うつ状態。
- 睡眠が浅く、常に四肢の冷えを 覚える。
などの多くの不定愁訴が見られた。
交通事故直後、すぐ整形外科で診療を受けたが、外傷の跡もなければ、これと言ったほどの筋・骨格系の異常は見つからなかった。しかし、その後耳閉感、咽頭痛、しびれなどの多彩な上記の症状が一度も消えることなく、むしろ日に日に体を蝕んでいった。
ここ数年間、ほぼ全診療科や延べ十数以上の病院や治療院を転々と訪ね、さらにありとあらゆる民間療法も試みたが、いずれも原因不明、検査異常なし。そして有効な解決方法もなしという始末であった。
平成19年7月、初めて医大系病院の麻酔科でMRI造影検査により脳脊髄液減少症の疑いという具体的な病名が示された。但し、治療しても、耳閉感、咽頭痛、しびれなどの多彩な症状を伴った脳脊髄液減少症の症状改善の見込みはなかろうと言われた。
平成20年1月、インターネットで当院を知り、来院された。
○治療経過
これまでの長い闘病生活からか、なかなかすんなりと当院の治療方針や内容を鵜呑みにすることができない様子が窺えたが、諦めたら新しい出発も希望も生み出されないとよく話したら、半信半疑ながらとにかく初診治療を試すこととなった。
治療後、首、肩の痛み、耳の閉塞感や手のしびれなどが、瞬時に取り除かれたことにとても奇妙さを感じ、まるで自分が自分でないような感覚がしてとても不思議で、驚き禁じ得なかったという。詳しく尋ねるとその痛みや閉塞感から解放された心地良さは、正に今までのどの治療でも味わえなかった体感であったという。
それから大いなる自信のもとで、 2週間約8回の集中治療を続けたことにより、全体の症状の改善指数(VAS)は初診時の10から常に半分の5まで軽減していた。現在は、地元の医師に継続治療を委ねているが、今後も一層症状の改善が期待できるであろう。
○特記事項
これまでまったくと言っていいほど健康体そのものの人間が、ある日のある一瞬の出来事により、一転して一生エンドレスの病体生活に強いられたことを思うと、まさに晴天の霹靂の一言に尽きる。
未だに受け入れがたい、これこそ “不都合な真実” と思われるような体の異変に対して、患者様ご自身だけでなく、医療提供者のわれわれも、どうやって向き合うべきか、並大抵の努力だけではその解決の道がそう簡単には開かない。
しかしながら、「めげず、ひがまず、あきらめず」を合言葉に、ありとあらゆる可能性のある治療方法、発想転換を積極的に取り組むことこそ、もう一度健康への切符を手に入れる王道ではなかろうかと思う。遠絡による流体療法はまだ歴史は浅いが、病体から脱出するための第一歩の道作りに、着実にその未知なる威力を 発揮しつつある。