交通外傷による脳脊髄液減少症に伴う全身的痛み、痺れおよび五感の障害などへの改善効果
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症例「外傷・手術後の痛み」〜症例のご紹介

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交通外傷による脳脊髄液減少症に伴う全身的痛み、痺れおよび五感の障害などへの改善効果


○来院までの経緯 (40歳代 女性)

平成17年3月、歩行中に交通事故に遭い、車にはねられて全身に強い打撲を負った。

救命された後、右股関節や左膝関節の損傷のため、まず左膝半月板切除術および右股関節唇切除術を余儀なくされた。しかし、本当の“生きの苦しみ“を知ったのは、むしろそれからであった。

頑固な全身の圧迫感、疼痛(特に頭、頚肩部および脊椎や手足の関節部位)、その他めまい、嘔気、耳閉感、難聴、舌の痺れ、味覚障害、両眼の充血や視野に黒い点が飛び交うような視覚障害などの五感の異常、さらに微熱、動悸、発汗 体温調整障害などの自律神経症状および倦怠感、易疲労感や睡眠障害なども加わり、一日たりともごく普通の生活を送ることすらできなかった。

平成18年12月から平成19年夏まで、交通外傷による脳脊髄液減少症の診断のもとに、医大系の麻酔科で計2回ほどの自家血による髄液漏閉鎖術(ブラッドパッチ)を施行したが、いずれもその効果は限局的かつ一時的なものであった。

他の治療を苦慮した末、担当医の先生が試しに遠絡療法を当ててみたところ、意外にその効果が確認された故、より本格的な遠絡治療をプランニングするために、平成19年9月に当院に紹介来院された。


○治療経過

初診時、普段でもほとんど一日中、家に閉じこもりっきりの状態なのに、全身の痛みやめまい、吐き気などに堪えながらも、約1時間半の車での移動を辛抱して来院された患者さんの精神身体力は、もはや限界に近付いていた。

それでもフラフラの体つきに、ガクガク関節を揺らしながらも、松葉杖を使って必死に診察室の扉を叩いたその悶え苦しむ様子は、正に言わずとも自分が何を求めているか、望んでいるかを最大限にわれわれに伝えようとするものであった。

治療はいつもと同じく全力投球であるが、満身創痍というほどの体だけにやはり焦りは禁物である。少しずつ治療内容を調整し、グレードアップしていくような段階療法を選択した。

初回の治療直後は、すぐに頭や頚肩部の重圧感が雪どけのように軽くなったという好感触であっ た。それから治療を重ねていくうちに、ほぼ毎回の治療後には、一定の除痛や痺れの緩和効果が得られるようになっていた。特に痛みが軽減し、筋肉の硬直が緩むと体の動きも軽く気分的にも明るくなり、一度どん底に突き落とされた真っ暗闇な人生観に、再び曙が少しずつ差し掛かるように見えてきたのは、何よりのもう一つの大きな収穫といえよう。

現在既に4ヶ月以上治療に通い続けており、まだ満足の行く治療の持続効果が得られていないが、「変化こそチャンスあり」ということを信じ、さらに治療に励んでいく次第である。


○特記事項

これまで、まったくと言っていいほど健康体そのものの人間が、ある日のある一瞬の出来事である交通事故により、一転して一生エンドレスの病体生活に強いられたことを思うと、まさに晴天の霹靂の一言に尽きる。

未だに受け入れがたい、これこそ “不都合な真実”と思われるような体の異変に対して、患者様ご自身だけでなく、医療提供者のわれわれも、どうやって向き合うべきか、並大抵の努力だけではその解決の道がそう簡単には開かない。

しかしながら、「めげず、ひがまず、あきらめず」を合言葉に、ありとあらゆる可能性のある治療方法、発想転換を積極的に取り組むことこそ、もう一度健康への切符を手に入れる王道ではなかろうかと思う。

遠絡による流体療法は、まだ歴史は浅いが、病体から脱出するための第一歩の道作りに、着実にその未知なる威力を発揮しつつある。



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